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シシルが家に訪ねてきた次の日
シシル=アトレイドとの約束を果たすために
マリー=ケイロンは出かける準備をすると
シエルのほうを見た
(マリー=ケイロン)
「シエル、出かけるわよ
ついてきなさい」
シエルはマリーの問いかけに急いでエプロンを外すと
マリーの側まで走っていった
そして何かに気がついたのかのように
マリーの顔を下からのぞき込んだ
(シエル=バレンタイン)
「マリー様・・・また泣いていらっしゃったのですか・・・?
カトリーヌ様が行方不明になられてからずっと・・・」
パチンッ
いきなりマリーはシエルの頬を左手ではたいて
シエルはきょとんとしていた
(マリー=ケイロン)
「私が泣くわけがないでしょう?」
マリーはシエルの前を歩いて小さな声で
「心配してくれてありがと・・・シエル」
そうつぶやいた
シエルは頬を押さえながらマリーの持っている
古くなっているカタールを興味ありげに見ていた
(シエル=バレンタイン)
「そういえばマリー様
どうしてエレメス様のカタールを持ってきたんですか?
これを使う機会が町中であるとは思えないんですが・・・」
(マリー=ケイロン)
「貴女の武器なのよ?
ちゃんと持ち歩きなさい」
マリーは思い出したかのようにシエルにカタールを渡してまた歩き出したが
十字路にさしかかったときにふと足を止めた
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