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「でも、でも、卒業後はどうするの?花蓮、就職活動しなかったよね?」
私はとりあえず地元の小さな会社から内定をもらっていた。
それでも、30件以上回ってやっとの内定だった。
他の友人たちは、50件を越えてもまだ内定がもらえない人もいる。
「私は、翻訳家になりたかったから。学生のうちにバイト感覚で始めていたのがわりと好評価をもらえたから、何とかなりそう。」
「いいなあ。」
仕事も恋愛も順調な花蓮。
うらやましかったが、嫉妬はない。
だって、なんというか、格が違うのだ。
花蓮の取り巻きになりたい他の子が、私に意地悪をしたこともあったけど、花蓮は私とずっと親友でいてくれた。
「ブランド物に興味がないように、見た目だけの人間にも私は興味がないのよ。香耶は、一緒にいてとても楽。だから、卒業しても友達でいてね。」
なんて誇らしい言葉だろう。
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