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花蓮は、固まってしまった私を見つめた。
両手で、ゆっくりと私の頬を包む。
「私の大好きなお友達。親にも誰にも言えない、私の気持ちを聞いてくれる?香耶にだけ言うわ。もし、絶対に秘密を守ってくれると言うのなら。」
彼女の瞳が、とても妖しく揺らめくので。
その声が、私の耳から脳へ伝わり、痺れるような感覚が広がるので。
私は頷いた。
聞いてはならない告白かもしれないのに。
「素敵よ、香耶。じゃあ、あなたにだけ打ち明けるわね。
私は、先生の夫になりたいの。先生を妻にしたいの。
もしかしたら、私は性同一障害の境界線にいるのかもしれないわ。
本当ならば、男になりたいくらいだもの。
でも、女の体でよかった。
これなら、結婚しても先生の世間体は守られるでしょ、私が女ならば。
でも、私は先生の夫になりたいのよ。
先生を、いろいろな方法で悦ばせてあげたいの。」
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