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そんな彼に構わず、両手で圭介の手を握った遼が、頬を染めながら続けた。
「ありがとう、圭介くん。やっぱり君は、良いお嫁さんになれるよ」
「やめんか、馬鹿たれっ!!たたた確かに、その弁当は俺が作ったもんだが、変な誤解をすんじゃねぇぇっ!!」
本気で今にも泣き出しそうな圭介の反応に、遼はついに腹を抱えて笑い出す。
「あははははっ!!冗談だよ、ジョーダン!」
「……ってめぇぇ!!また俺で遊びやがってえぇぇっ!!」
まんまとからかわれた圭介が乱心するが、遼は飄々としおどける。
「いやいや、だってさぁ、圭介くんの反応が楽しくてねぇ~。癖になるんだよ」
ほくそ笑んだ遼、その笑顔は異様に黒い。
「遊べるものは遊ばなくちゃ、これも愛だよ。圭介くん」
ベビィフェイス美少年な見た目とは裏腹に、かなりのお調子者である。
そうな彼らの様子に、美月が表情をひきつらせる。
「遼くん、相変わらずね」
「海とは、また違ったタイプのSだしねぇ」
「黙れ、隠れドS野郎……」
美月の言葉に頷いた遥の発言に、海が怪訝げに眉を潜めたが、彼はにこやかに笑う。
「あはは、僕がSなわけないじゃん。海ってば、可笑しな事を言うなぁ~」
「「その笑顔が胡散臭いんだよ、この隠れドSがっ!!」」
無邪気な顔して侮れない遥に、思わず海と圭介が声を揃え突っ込んでしまう。
「嫌だなぁ。2人して人聞き悪いよ、こんな善人に向かってドSなんて失礼だよ」
「本当の善人はな、自分で善人とは言わねぇんだよ……」
遼以上に掴み所 がなく、海以上にドSな遥に、圭介はガックリと肩を落としてしまう。
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