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「いつか、空ちゃんに身長越されちゃうかもね」
おどけた遼だが、その可能性はないとは言えない。
現に空は、12歳時の彼の身長を追い抜いている。
「遼ちゃんは、背の高い女の子は嫌い?」
「そんな事ないよ。背の高い女の子は、モデルみたいにかっこよくて好きだよ」
「本当?なら、空、安心して大きくなれるね!!」
彼の言葉に安心し、微笑んだ彼女の表情には、紛れもない恋慕が確かにあった。
「心配しなくても、空ちゃんみたいな可愛い子。嫌いになんてならないよ」
「遼ちゃん。うん、ありがとう!空もね、遼ちゃんの事、大好きだよ」
彼からしたら些細な言葉でも、空にとっては、遼がくれる全ての言葉が特別だった。
そんな妹の様子に、眉間に皺を寄せた海が遼をせっつく。
「なに人の妹をたぶらかしてんだ、このロリコンが」
「ちょ、誤解だよ。別に僕は空ちゃんを卑猥な眼で見てないよ!?」
「でも、遼くんって、眼がエロいよね」
「遥くんまで何言ってんの!?」
言われ放題の遼が青ざめ慌てるが、そこへ皐月が電話の子機を手に持ち部屋を訪れる。
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