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そんな予想にしていなかった級友との再会に、遥たちの表情が自然と明るくなっていく。
「し、静流ちゃん?! 」
「え、嘘。本当に?! 」
遥と遼がそれぞれに声を上げ、海と圭介も彼女の近くに歩み寄っていく。
そして、久方ぶりの再会を喜んだ遥と圭介は、自分たちの腰くらいの身長の彼女の頭を撫で回す。
「久しぶり~、静流ちゃん!! 」
「そっか、もう2ヶ月過ぎたんだな」
「みっ!! 」
彼らに撫で回され、猫みたいな声を漏らした静流だが、その表情は久しぶりに会えたら友との再会を喜んでいた。
しかし、あまりに揉みくちゃに撫で回すので、彼女の長い黒髪ツインテールは段々とボサボサに乱れてしまう。
「み、みぃ~っ!! ふ、二人とも、その辺に~っ!! 」
垂れ目がちの目を更に垂らした静流が、撫で回す遥と圭介を宥めるが、今度は海がそんな彼女をいじくりだす。
ボサボサに乱れた黒髪ツインテールを、なにやら器用にリボン結びする海の悪戯に、静流が再び猫のように叫んだ。
「みぃーーっ!! 今度は海どすかーっ!! いったい何してはるんどす!! 」
「相変わらず、ワカメのような髪だな。二ヶ月の間に、また増えたんじゃないのか。このワカメ」
「ワカメじゃないわーっ!! 」
からかう彼に眉を寄せ、両手を振り回すが、悲しいかな。
身長135㎝の彼女が、60㎝も身長の高い彼に届くわけない。
「ああもう~。皆その辺にしときなって」
遊ばれる彼女を、子猫みたいに引っ張り出した陽菜が、調子に乗る男3人を諌める。
「あはは、ごめーん。嬉しくて、つい……」
「み、みぃ、気持ちはもう充分どすぅ……」
苦笑する遥たちに、髪をボサボサにされた静流がそうぼやきながら、陽菜の背中に隠れてしまう。
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