愛色デイズ

Ⅰ

ヤバい。それしか脳内に出てこない。もう少しマシな言い方を考えろと言われても、とにかくヤバいしか出て来ない。

次の日に学校に行ってみろ。何か張り紙なんかしてあるんじゃないか？

『ずっと授業をサボっていた森野空太を１年Ｂ組委員長、山下あおいが希望を与え、授業に顔を出すことができた！！

だがしかし！森野空太は恩人である委員長を泣かしたのだ！！

これだけ最低な人を私は知らない！

そこで、森野空太を倒すべく、仲間がほしい！仲間になってくれる人がいるのならば、放課後、××教室に来てほしい！』

こんな感じに。

ダメだ、考えただけで頭が痛くなる。

そして、僕はThe平均点の頭で必死に考えた！

僕の導きだした答えは…………コレだ！！

ズザザザザザザッ

音ではわかりにくいであろう。言葉にすると、立ち上がって教室の一番後ろまで行き、涙目であるあおいの前めがけて滑り込みながら頭を地面に付ける、というものだ。

簡単に言えばスライディング土下座。

自分で言うのもなんだが、素晴らしく決まったであろう。

「………何してるの？くぅ」

素晴らしく決まっていなかったらしい。

なにがともあれ、あおいは元気になったようだ。これで少しは安全になるのだろうか。