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屋上で見る空は特別に感じる。
教室からでも空は見えたりするのだが、屋上で見ると、教室から見る空とは違って見えたりするのだ。
………あくまで僕個人の意見なんだけどね。
屋上に寝転がりながら空を見る。これは僕の日課である。授業なんて受ける暇なんてない。
「空って何で青いんだろうなぁ…」
空に手を伸ばしても届かない。それは承知の上。でも、手を伸ばしたら届くかもしれない、なんて僕は思う。
『キーンコーンカーンコーン』
かすかにチャイムの音が聞こえた。多分もうすぐ来るだろう。
すると、タッタッタッとリズムの良い音が近付いてきた。
そして、ドアが勢い良く開く。
「くぅ!!また授業サボったでしょ!」
いつも通り、委員長の『山下あおい』の声が聞こえる。クラスメイトからも先生からも愛される委員長だ。
ちょっとそそっかしいところもあるが、意外に頼れる人でもあるため、信用される良い委員長なんだと思う。
「くぅ!そろそろ授業に出るようにしてよ!こうなったら縛ってでも連れていくからね!」
「生憎、僕は束縛されるのは嫌いなんでね」
「名前が清々しい名前なのに何でこうも言うことを聞かないのかしら…」
そう、僕の名前は僕自身と全く違うような名前になっている。それも、『森野空太』という自然が沢山詰まった名前だ。
あおいが『くぅ』と読んでるのは、空太という名前が僕を見ると言えなくなる(失礼な)らしいから。
意外に『くぅ』と呼ばれるのは気に入ってたりする。
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