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あおいとクラスメイトを軽くスルーしながら自分の席に到着する。 なんか新鮮だな。 小学生の頃以来の景色だ。 机が規則的に並んでいて、黒板もさっきまでチョークで文字を書かれていたと思えないくらい綺麗にされている。その使っていたチョークもきちんと色ごとに分けられているらしく、どこにどの色があるかわかるようにしてあった。 まぁ、そんなこと、僕にはどうでも良いんだけど。 どうせ、教室に来るのも今日だけだ。明日からはまた屋上の住人として生活をしていくのだろう。 悪くない話だ。 教室に来てもどうせ寝るだけだ。 そう、今みたいに。 僕は今から安らかな眠りを行うのだ。授業なんて受ける気にならない。 高校に行く気がないのなら勉強していても意味はない。 そして、睡魔が襲ってきたところで、 「何寝ようとしてるのよ」 悪魔が現われた。 さぁ、僕はどうする、なんてパターンにはなるわけはなく。 人の睡眠を邪魔するほど酷いことは無いだろう。あるわけがない。あって良いわけがない。 僕は伏せた顔を上げることなく、スルーする。 「スルーは無しでしょ…………」 少し顔を上げてみると、涙目になっていた。 女子を泣かせたことの無かった僕には結構ダメージのある技で。 クラスの中心でもある委員長、あおい。 紫がかかったピンクの髪。ぱっつんの前髪に少し長い横髪。後ろは横より短い。そして、少々たれ目。 そんな容姿も備えてるからか、男子からの人気も無いとは言いきれない。 そんな女子が涙目になっているのだ。しかも僕の前に立っている=僕が泣かした=学校生活波乱の予感。 =ヤバい。
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