第一章 君のいる場所へ

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 自分の血の気が引いていくのが分かる。  どこだか分からない人気のない山の中。  自分を守る術を持たない女子高生。  三人の男。  先は……見えている。  強く突き飛ばされ、私は木の根元に思い切り尻餅をついてしまった。  雑草が迷惑そうに音を立てる。  不敵に笑いながら近づいてくる三人。  鈍く光る刀を喉元に突きつけられ、思わず強く目を瞑った。 「大人しくしてろよ」  もう、だめだっ……。 「ありゃ?」  人生終わりだと諦めかけた時聞こえてきたのは、この空気に似合わない不思議そうな声だった。 「なっさけねぇなぁ、女子一人に男が三人」 「なっ、何者だっ!」  私に刀を突きつけていた人が慌てた様子で振り返った。  そこに立っていたのは 「大したもんじゃねぇよ」  煤竹(すすたけ)色の着物を着た男の人。  三対一だというのに何故か彼は落ち着いており、笑みまで浮かべている。 「ただ、坊ちゃん。武士の魂持つには早ぇな」  彼の笑っていた目が鋭く光った。 「そいつぁ……玩具じゃねぇぜ?」  迫力がある視線から目が逸らせない。  それは私だけでなく、三人の侍も同じようだった。
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