第一章 君のいる場所へ

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私は悪夢から目を覚ますように勢いよく目蓋(まぶた)を開いた。 「……て、あれ? え? 電車が……え?」  爆発しそうなほど早い鼓動の音が耳にうるさい。  混乱しながらも自分の身体をあちこち触ってみる。  冷や汗でベタベタにはなっているが、感覚はちゃんとある。  髪を引っ張ってみても 「いたたっ……夢じゃない!」  ちゃんと痛みを感じられる。  ということは。 「私……生きてる?」  どうやら私は生きてるらしい。  怪我すらしていない。 「よかっ——」  ほっと胸を撫で下ろしかけて、慌てて周りを見回した。  目に入るのは生い茂ったたくさんの木々。  踏切にいたはずの私は。 「……ここ、どこぉー⁉︎」  何故か森の中にいた。
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