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私は悪夢から目を覚ますように勢いよく目蓋を開いた。
「……て、あれ? え? 電車が……え?」
爆発しそうなほど早い鼓動の音が耳にうるさい。
混乱しながらも自分の身体をあちこち触ってみる。
冷や汗でベタベタにはなっているが、感覚はちゃんとある。
髪を引っ張ってみても
「いたたっ……夢じゃない!」
ちゃんと痛みを感じられる。
ということは。
「私……生きてる?」
どうやら私は生きてるらしい。
怪我すらしていない。
「よかっ——」
ほっと胸を撫で下ろしかけて、慌てて周りを見回した。
目に入るのは生い茂ったたくさんの木々。
踏切にいたはずの私は。
「……ここ、どこぉー⁉︎」
何故か森の中にいた。
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