第1話

3/13
前へ
/13ページ
次へ
僕が好きな歌の一つに、『僕はホールデンの言葉を引用しただけなのに何かの祭りに乗っかっちゃって奉られました。うわあひくわ』とある。その曲が好きで、なおかつ我ながら影響を受けた感じのしないでもない僕も、"僕"には引かれているこったろう。 そもそも一人称も一人称だ。普段の一人称は俺なのに、最近すっかり病みが強くなったからなのかアオイに影響されたからなのか、すっかりこの中では僕だ。本当の性別は女だというのに。 でも本当は…、診断書なんてまだないけれどもきっと僕は、男だ。しかもその上、男が好きなバリタチだ。抱かれるのは考えたくもないくらいだし、攻めたくなった事もあるし、欲情した事もあるからだ。 でも僕は誰?何だかよく判らなくなってきた。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加