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「今日はうちに泊まれば?。何も準備してないんでしょ?」 戻ったはいいが、やらなければならないことは山ほど待っている。 新居もそう、仕事もそう。 “戻れば、なんとかなるよ” なんていう親友の一言で、ほぼノープランでの帰京。 それくらい、ようやく背中を押されて出てきた実家なのだ。 「ごめんね。これ以上は地元に根っこが生えそうだったから」 感謝と不本意の気持ちが、それとなく言葉に入り混じる。 「じゃあさ、これ渡しとくね」 渡されたのは「ルームメイト用」と書かれた、 アパートの玄関と部屋の鍵だった。
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