0人が本棚に入れています
本棚に追加
ピンクのプラスチック。
少し、というかかなり珍しいジッポライターを差し出された。
貸してくれたのは同い年くらいの女性。
少し近寄っただけで甘みの強い香水を感じる。
「ありがとう、助かりました」
2~3回ほどのカチカチで火をくゆらせ、
ナオキはそのライターを前の女性にお返しする。
返すタイミングで気付いたけれど、
第一関節よりも爪のほうがはるかに長い…
「あ、ゴメンね。火を渡すタイミング、絶妙すぎた?」
改めて彼女の顔を見る。
長く丁寧に巻かれた髪の、よく言う「綺麗なお姉さん」。
明るい茶色ってのはナオキ自身、それほど興味はなかったが。
最初のコメントを投稿しよう!