0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ん? まだなにかあるの?」
再び目が合うその女性に、ナオキはまた話しかけられる。
「あ…、いや、綺麗な夜会巻きだなぁ、って」
なんとも適当、およそ棒読みな台詞をその女性に返す。
話しかけられたくないのなら、
ライターなんて、借りなければよかったのに。
「あはは、ありがとう。でも、褒めるなら火を貸したとこだよね」
「あんまり気の利いたこと、言えない性格なもんで…」
もう、誰が見たって面倒くさそうな態度。
苦笑いを浮かべながらタバコを吸い、火を消そうとする。
その女性も同じタイミングで、灰皿にタバコを当てた。
最初のコメントを投稿しよう!