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しかし、それがいわゆる《きっかけ》となったのだ。
いくつもの渡り廊下を通り、やっと着いた音楽室は学校の中でも最も端にある校舎に位置していた。
1階は武道場、2階は美術室と音楽室という、なんとも不思議な造りである。
「おっす!ユイ」
「…!」
私は、思わず目を見開く。
音楽室に私が入るなり声をかけてきたのは小学生の頃から仲が良かったカズキ。
流暢にドラムを叩いている彼は、本当に仮入部で来ているのか、道場破りで来ているのか、こちらがハラハラさせられた。
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