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「(初恋は大人になるまでないだろうなぁ~)」
キーンコーンカーンコーン♪
ガラッ
「全員席に着け、出席取るぞー」
チャイムと同時に担任が教室に入ってきて教卓に立つと、それまで各々好きな場所でクラスメイトと話していた生徒達が自分の席に着席し、一日が始まる
「・・・・・・・・んっ・・」
槙希がまだ学校にいる頃ある人物がベッドの上で意識を取り戻した。
「ここどこだ・・・?」
頭を押さえながら男は起き上がると状況を把握するため、室内を見回す。
「・・・・・・女の子の部屋?」
レースのカーテンにピンクのマットが敷かれているガラステーブルや、小物が置かれた机と水色のソファ・・・色合いや部屋の感じから男の子ではないと分かった様子。
「何でこんな所にいるんだ?」
何故こうなったのか理解出来ない様子の男。
「んーっ・・・ん?」
悩んでいる男の背後から風が吹き抜け、そのまま後ろを振り返る。
「桜の木・・・?」
窓に近づき、窓枠に両手をつきながら桜を眺める男・・・桜の木は風に吹かれながら揺れていた。
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