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子が逝きて頼る術無くなりし身を業と受け止め妻と生きねば
いくら親思いの息子でも死んでしまっては絵に描いた餅である
嫁は夫が死ねば当然のごとく実家へと帰ってしまった教員住宅を引き上げねばならないが嫁は風邪をひいたと段取りもつけられず10日がすぎた
引き上げ当日、嫁の必要なものを選んで貰い残る品を鹿児島へ持ち帰ることにした ほとんどが本と衣服だ 一度に運べる量ではないので自家用車に積めるだけつんで家にもちかえった 結婚した時にも五万円ほど古本屋にひきとって貰ったのだと言う コミック雑誌は私の仕事に使ったのだが一年分あった
私が驚いたのは引越し業者を三人連れてきて見積もりをさせたことだ
仕事になるのは一人、一番都合の良い業者だけ二人は仕事を貰えず手ぶらで帰した 私には出来ないことだ
法律も神も時には残酷に残されし親を打ちのめすなり
当然ながら遺産相続の話となった
嫁の兄の方から遺産の相続放棄をしてくれと言ってきた
理由は善行に隠れた借金があるといけないからという
即座に断った
裏の理由がみえみえだからだ もしも、善行に借金があれば身をきり払う相続放棄などという姑息な手段で逃げようとは思わない
お金のことが一番人の心がみえる
悲しいことはたくさんある
親子三人来て、善行に貯金が無いのは何故だと詰め寄って来たのには開いた口が塞がらなかった
嫁方の悪口ばかり言って自分まで下げてしまうけれど、こうして書き残すからは事実をしるしておきたいだけで今では他意はない
何か褒めたいのだがこの時点ではない
前に書いたが善行がお父さんの為に保険にはいったよと言っていた保険は死ぬ1月前に弘子名義に書き換えられていた
妻が相続放棄しても残された遺産はすべて妻が受け取れるというのが現行の法律である 従って親は子が死んでも一銭の遺産も受けるものはない
後は、妻所謂嫁の心次第なのだ
法律も神も時には残酷に遺されし親を打ちのめすなり
だから逆縁の子は親不幸となるのです
ただいまとパソコン肩に逝きし子がドア開けそうな土曜日の午後
同窓の遊び学びし友集い悲しみ薄めん食事会もつ
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