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ごくり、と誰かの唾を飲む音が聞こえた。
「デタラメ言ってんじゃねぇぞ。」
今にも刀を抜きそうな土方歳三に対し、あの夜真っ先に刀を突きつけてきたあいつ…
沖田総司は、その大きな目を細め、
じっと言葉の真意を探っているかのように此方を見ていた。
「世の全てを知ってるだぁ?
んなことあり得る訳ねぇだろうが。
だいたい、」
「殿内義雄…そして、暗殺」
土方歳三の言葉を遮るようにしてそう言えば、遂に奴…
沖田総司は刀に手をかけた。
そして反応を示した人間がもう一人…近藤勇だ。
「心当たりがある方…いらっしゃるんじゃないですか?」
その近藤勇をじ、と見つめる。
蛙を追い詰める蛇のように、じ、と。
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