265人が本棚に入れています
本棚に追加
/99ページ
「何故、その事を知っている。」
先程まで優し気な表情を浮かべていた近藤勇の顔に、
焦りと戸惑いが現れた。
「クスクス…何故でしょうね?」
適当にはぐらかせば、更にそこに眉間の皺が追加される。
そんな顔してると、鬼のようだな。
ただ、怪訝な表情を浮かべているのは沖田総司と近藤勇のみ。
まぁ、それはそうか。
殿内義雄は夜中に長州に殺された事になっているんだから。
「そして、芹沢鴨の暗殺計画。」
この言葉には、全員が反応を示した。
「近藤勇さん。
私はこの事を脅しに使うつもりは御座いません。
ただ、私は過去そして先の真実を知っているという事をご理解頂きたく思います。」
「っ……」
新選組の連中は近藤勇の様子から、何かを悟ったのだろう。
何も言わず此方の様子を伺っている。
最初のコメントを投稿しよう!