「灰色の狼達」

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「私は…何でも出来ます。 例えそれが、許されざる事でも。 例えそれが、己の誇りを投げ打つような事でも。 例えそれが、己を夜叉へと朽ち果てされる事でも。 例えそれが、己の死へ直轄する事でも。 大切な人の、大切な意志の為とあれば。」 お前も私と同じだろう? なぁ、 …土方歳三。 「どうです、土方歳三さん? 私に一つ賭けてみませんか?」 じ、と見つめれば。 奴はほんの僅かの間、目を見開き。 そして、不敵に笑った。 やっぱりな。 お前なら、近藤勇の為になら多少危険を帰りみてもそうすると思ったよ。 だって、 お前は私と同じで、 誰かの為に生きているのだから。 その時、 不敵に笑った土方歳三の姿がやけに様になっている、 とも思った事は口が裂けても言わないが。
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