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結局、夜景は本当なのか嘘なのか分からないまま。
藤井さんは家まで送ってくれた。
「今日はご馳走様でした。
色々ありがとうございました。」
お礼を言って、自分で操作出来る様になったベルトを外す。
「おう。ちゃんと働いたら連れてってやるよ。」
「仕事は毎回、ちゃんとやってますよ。
毎回連れて行ってもいいと思います。」
フン。
バイト命の私をバカにしているのか。
「もっと働け。」
「ええーーー!!これ以上働いたら死んでしまいますよ。」
無茶を言うな。
死ぬくらいなら、奢りなど諦めるわ。
「では。さようなら。」
「おう。じゃーな。」
窓から小さく手を振ると、ちょっと笑ってくれた。
小さくなる車を見送り、見えなくなってから家へ入った。
「おかえりー。」
「なんだ。花子帰ってるんだ。」
リビングには部屋着に着替え済みの花子がいた。
「あんた、遅かったじゃん。」
「ああ。藤井さんがご飯奢ってくれてさー。」
「うっそーーーー!!」
飛び跳ねそうな勢いで驚いている花子。
その勢いに逆にびっくり!!
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