狼の片思い

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「どうよ。あの二人。」 「おお。いいんじゃねーか。」 「へー大河がいいなんて珍しいじゃない。」 しばらくして姉貴に聞かれて。 そうか?オレだって、ちゃんとやってる奴はやってるって言うけど。 「とにかく良く働くよ。」 二人ともちょこまかちょこまかと良く動いて。 「晶ちゃんはね。どうしてもここで働きたいって入ってきたからかな。」 「でも、理由が制服って・・・あいつ、ホント馬鹿。」 確かにこの制服には惚れるかもしれないけど。 でも、その辺が子供って言うか・・・何て言うか・・・。 「一緒に入ってきた奴もおまけの割にはちゃんと働いてるんじゃねーか。」 「そうね。今時珍しいくらいちゃんとしてるわ。 色々と大変な事があったからかしら・・・。」 「どうかな・・・。元からっぽいけど。」 「とりあえず、二人とも合格か・・・。 大河。引き続きよろしくね。」 「分かってるよ。」 姉貴に言われたからだけじゃなくて。 あいつの。 他の奴とは違う何かにちょっと気づき始めてはいたんだけど。 それが何かは全然分からないんだよな。
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