狼の片思い

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いやいやいや・・・。 無い無い無い・・・。 あいつの面影を消そうと。 わざと歳上の、落ち着いた女と付き合って。 コイツもうるさく言わないし。 オレがあんな子供、気になるわけないし。 あり得ないっつーの。 「藤井さん。また違う人が待ってますよ。 相変わらず出入りが激しいですね。」 「うるせー。そういうお前は待ってる男、できねーのか。」 「グッ。」 けっ。図星か。 そりゃお前に男は出来ねーよ。 お前、未だに透き通ってキッラキラしてるもんな。 「まあ、お前みたいのに手を出す男はいねーよ。」 「そんなの私が一番分かってます!! こんな男女に手を出す奴なんて、どーせいませんよーだ!!」 こいつ本気でそんな風に思ってるのか。 自分で自分の事全然分かってねーんだな。
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