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当然追われてたが、何とか逃げ切れた少年は彼等しか追い掛けてこないものだと思い込み、油断していた。
次に追い掛けてきたのはこの不良達だ。
再び逃げる羽目になる少年だが、ここ1週間慣れない出来事ばかりにろくに睡眠も取れず、疲労を溜めていた。
そこへ逃走劇だ。
既にもう限界は来ていたのである。
「大人しくしな。じゃねーと痛い目に合うだけだ」
忠告をする刺青を入れた男性の言葉が少年の思考を遮った。
「な…ん……で」
「あ?」
小柄な彼の身体に力が入るのを不良は感じた。
無駄な足掻きを止める為に、背中に乗せる足に体重を掛ける。
普通なら身動きは取れないだろう。
しかしーー
「何で……?」
「なっ!?」
構わず少年の身体は浮き上がる。
全体重を込めようが、お構い無しに意に介さず、軽々と身体は起こされる。
「僕が……一体……」
徐々に言葉に威圧が入る小柄な彼の中には怒りが埋め尽くされる。
そしてーー
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