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「ああ。問題ない」
俺は淡々とまるで当たり前のように答えた。
以前にも何回か命を捨てたが、たまたま拾えただけのものだ。今回で失おうと問題はない。
俺は決めているのだ。
寧ろ求めているのだ。
死場所をーー
「あ、そう」
冷徹なあっさりとした言い方で会話は切られた。
自分から聞いといてちょっとそれは冷たくないか? とこちらは冷ややかな視線を向ける。
するとーー
「なら、私も空と一緒に死んであげる」
「……冗談はお前の超能力だけにしてくれ」
突如ニッコリとそんな言葉を述べてきた。
とんでもない事を発言するもんだ。
呆れて溜め息さえ出る。
「超能力だけって、結構な言い種ね。空よりかは全然マシな能力だと思うけど?」
「それは否定しないけどさ…」
話が脱線してきたな、と残りのコーヒーを飲み干しているとーー
「待てぇぇ!!」
怒涛の叫び声がこの周囲に木霊した。
口に含む豆から出来た飲料が零れそうになるのを堪えながら風通しの良いガラス窓から下を見下ろす。
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