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「で、そろそろ優斗の意中の人を教えてくれてもいいんじゃない?」
「なんだよ? 藪から棒に」
星華市内のほぼ中心にあると言ってもいい星華高等学校。そこの三階にある二年五組の教室、生徒にとって至福の席とまで謳われる窓際一番後ろの日溜まりが差し込む席で、その会話は始まった。
因みに〝優斗〟というのは俺の名前である葉山優斗(はやまゆうと)を、学友たちが親しみを込めて呼ぶ際の呼称だと思ってくれればお兄さん嬉しい。
「今更、取り立てて隠すような仲じゃないだろうよ?」
「というより、貴方はどちら様……?」
俺の前の席のこの男。あたかも友人面でいきなり登場されても反応に困るというか、二年に進級したばかりの四月に、クラスメートAないしBの人が真っ先に訊く内容としては如何なものかと思うんだけども。
「ちょ、クラスメートBはひどい!」
心が……読まれただと……?
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