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ゆっくり、僅かな歩みで季節は移ろいでいく。
火の季節は去り、土の季節、金の季節、水の季節、そして──
木の季節が訪れた。
乾いた大地では相変わらず食うか食われるかの攻防が繰り広げられている。
新たな命が誕生し、
消えていく。
それが、摂理。
動物も植物も、そう言った連鎖の中に生かされているのだ。
吊り橋の残骸が残る崖にそびえる巨木の下に、もうあの花はない。
それも、摂理。
さわさわ さわさわ
大地の裂け目で金色が揺れる。
一面に咲く、タンポポの花。
ライオンに良く似た姿だった。
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