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「それより、気づいておるか?招かれざる者達がいるようだ」
「そのようですわね。ご丁寧なことに、攻撃に特化した方々のようですわ」
二人の会話が指すように、喫茶店の四方の席から数人立ち上がり、二人に近づいてきた。
「四賢将の2位と3位が、このような場所で何を話している?」
集団のうち、一人の男性が二人に話しか
けた。
「人が優雅にお茶を飲んでいるところへ無粋なことですわね、まったく」
そういうと、女性はカップを持ち紅茶を口に含む。
「質問に答えろ!」
(バンッッ)
男性は怒声を上げ、机を叩いた。
「はぁ、本当に無粋な方たちですわね。食べてしまおうかしら」
そういうと、唇に舌を這わせ撫でる。その妖艶さに背筋を凍らせる男達。
「構わんが、跡形も残すなよ。後々が面倒になる」
男は呆れながら、女性に忠告した。
「わかっていますわ」
女性が返事を返す。そして、それは一瞬だった。
「全く、悪食女王め」
男は畏怖を込め、女性のことをそう呼び踵を返した。
「ですから、その呼び名はやめてくださいと言っていますのに」
不満を漏らしながらも、男に続く女性。
そして、二人の去った店内からは人が居なくなった。
まるで最初から居なかったかのように、客や店員の全てが一瞬にして消えた。
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