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僕達は明朝、札幌を出発し星凪村の跡地へと向かっている。
僕や姫の車だと狭いので智の車を借りている。
ファミリーカーの最後部に秀君と姫野さんが寝ており、その前の席に姫と麻美ちゃんが座っている。
カーナビが示す目的地は山の中なのだが、姫野さんが言うには其所の場所で合っているらしい。
「それより、びっくりしたよね?誰かに起こされたと思ったら秀君なんだもん。」
「烈人はいいわよ!私達なんか寝顔見られたんだからね!」
僕達が姫野さんに頼まれた仕事の一つが現地までの運転である。
秀君も姫野さんも移動には極力、車で移動する。
飛行機や電車、船ではいざと言うときに目的地を変えられないから、戦いになった場合に多くの人を巻き込んでしまうから、らしい。
特に飛行機は二人とも酔ってしまうため嫌なんだろうけど。
「かなり道が狭くなってきたね。家なんかも少なくなってきたし。」
「なんかさ、やたらとお地蔵様や石碑が多くない?こんな所、滅多に車が走らないから事故だって無いでしょうに。」
確かに30分ぐらい対向車や他の車を見ていない。
しかし、無数のお地蔵様や石碑にはお供え物がしてある。
近くの人がマメに訪れているのだろうか。
暫く行くと道路は山道へと変わり、舗装もされていない砂利道へと変わった。
「まだ、昼前だって言うのに木のせいで薄暗いね。」
「何か……怖いね……」
麻美ちゃんはすっかり怖がって声も出せない状態だ。
姫に抱き着いていた。
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