2008年9月4日 北海道旭川市郊外

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僕達は明朝、札幌を出発し星凪村の跡地へと向かっている。 僕や姫の車だと狭いので智の車を借りている。 ファミリーカーの最後部に秀君と姫野さんが寝ており、その前の席に姫と麻美ちゃんが座っている。 カーナビが示す目的地は山の中なのだが、姫野さんが言うには其所の場所で合っているらしい。 「それより、びっくりしたよね?誰かに起こされたと思ったら秀君なんだもん。」 「烈人はいいわよ!私達なんか寝顔見られたんだからね!」 僕達が姫野さんに頼まれた仕事の一つが現地までの運転である。 秀君も姫野さんも移動には極力、車で移動する。 飛行機や電車、船ではいざと言うときに目的地を変えられないから、戦いになった場合に多くの人を巻き込んでしまうから、らしい。 特に飛行機は二人とも酔ってしまうため嫌なんだろうけど。 「かなり道が狭くなってきたね。家なんかも少なくなってきたし。」 「なんかさ、やたらとお地蔵様や石碑が多くない?こんな所、滅多に車が走らないから事故だって無いでしょうに。」 確かに30分ぐらい対向車や他の車を見ていない。 しかし、無数のお地蔵様や石碑にはお供え物がしてある。 近くの人がマメに訪れているのだろうか。 暫く行くと道路は山道へと変わり、舗装もされていない砂利道へと変わった。 「まだ、昼前だって言うのに木のせいで薄暗いね。」 「何か……怖いね……」 麻美ちゃんはすっかり怖がって声も出せない状態だ。 姫に抱き着いていた。
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