一章、『滅びの町のダイドダイド』

2/12

17人が本棚に入れています
本棚に追加
/140ページ
 昔はそれなりに整備されていたであろう道を、少年―――ファウィルは歩く。  木々が生い茂り、歩きにくいが確かにまだ人々が昔は往き来していたであろう道らしき路が残っていた。 「――――ッ」  荒い呼吸を整えて、グッと息を呑み込み地図を広げた。  地図の通りなら、町があるはずである。そう、あるはずなのだ。  しかし、多くの人々は言う。『そんなものは無い』と。  ちょっとした、街で有名な都市伝説がある。  大昔に、珍しい鉱物がザクザクとれる鉱山がこのあたりにあった。  その為に人々が集まり……やがて、それなりの町がうまれた。  だが、鉱山からはやがて何もとれなくなった。  人々は、徐々にジョジョに町を離れて行ったのだという。
/140ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加