守護霊の囁き

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                  (1)  風がそよそよと吹き、辺りには真夏の太陽の照り返しを受けむしむしとした空気が漂っている。  道路のアスファルトには太陽の熱が残っているようでその上を車が走っている。森には涼やかな風が吹き込み、木々が力強く堂々と立っている。  なんとも自然が豊富な場所で辺りには緑が生い茂っている。真夏の暑さを森林が緩和してくれているようである。周囲は森林だが、その中には町があり、人の気配がする。  田舎町らしく商店が点在し、わずかに住宅があるといった感じである。  目のつくところに本屋があり、そこには町のガイドブックがが置いてあるので手にとってみる。そこにはこの町和歌山県新宮市の町の情報が網羅されている。詳しく見てみると様々な名所が書かれている。  本を元の場所に置き、足を目的地に向ける。実はある高校を目指していてそこに向かっている最中なのである。その高校は私立秀明大学附属高校と言い地元の名門校である。  ここから歩いて三十分ほどの距離である。
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