第1話

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私達は普通に学校に通うことは出来ていた。 ずっと同じクラスで隣の席。 黒板を写すのは美桜の仕事で、先生の言ってることを覚えるのは私の仕事。 と言う建前だけど、本当は机の下でこっそりと手を繋いで両方ともやっていた。 私は右利き、美桜は左利き。 だから私の左手と美桜の左手を繋げば何も問題はなかった。 そして、私達は幸いにも勉強も運動も人よりも少しだけ出来た。 友達もそれなりにいたし、学校だって病院の検査の日を除いては毎日通えていた。 私達は1人0.5人前でも、2人なら3人前。 お母さんはそう言って笑っていた。 そんな、私達に転機が訪れたのは高校生になった時。 私達は初めて別々のクラスになった。
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