35人が本棚に入れています
本棚に追加
元気に言い返す力があれば問題ないかと思いながら、少女の学生服装が自分と同じであるのに気づいた。
てか、ツインテールにする髪の色が水色に少し驚きであった。どうみても校則違反であるが、背丈の小さい彼女は同姓から見ても可愛らしいと言いたくなる程に花華がある少女であった。
「見当たらないって何か無くしたのか?」
「無くしたかも。でも、さっきまであったの! あれが無いと……あれが無いと……」
「おいおい、いい歳だろう? 泣く前にしっかり確認してみなよ」
「でも……グスン、さっきグスン、まであったのにぃぃ」
あらら。もう泣いちゃった。仕方無しにハンカチを貸してあげながら、コンビニの裏手に移動して話を聞く事にする。
あの場にいたら、なんか自分がこの子を泣かせた感じに見えそうなのだ。
「ほら、少し落ち着いて」
「落ち着いてるもん~でも、シクシク、涙がオマケみたいに出るんだもん~」
オマケって何? それよりメインである気がしてならないが、なんとかしなければ帰る事も出来ない。
「あのさ、あなたは一体何を探してるの? 財布? 携帯? 家のカギ?」
「……違う。もっと大切なモノ~」
「もっと大切なモノ??」
他に大切なモノと言えばなんだろうか。
「……うん。紅い勾玉」
「……マガタマ??」
「グスン、そう。首にかけていたの」
「ペンダントか。……いつから無いの??」
「二分三十二秒前」
瞬時に的確に答える彼女に、それなら場所分かるんじゃないのかと思いつつ。
「ならきっとこの辺だな。鞄は見たんだね?」
「うん。身体全身隈無く探したよ」
「……そ、そっか」
取り敢えず、会話が何やらおかしい。髪色からしてもやや異常。なんて言うか電波って言う少女か??
そう理解すれば、早く家に帰りたい気持ち半分、困っているのを基本的に見過ごしたくない気持ちが半分である。
最初のコメントを投稿しよう!