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「じゃあ、二分三十二秒前は……」
「――違うよ! もう二分四十四秒だよ」
……おちょくっているのか?
「……その時間の少し前は何していたの?」
「えっと~コンビニで立読みしながら、デザートのケーキかクレープを買うか悩んだけど、結局アイスクレープ買いたくなる確率を脳内計算してました」
「……うん。なら多分、君が悩みの最中、ウロウロしたコンビニが怪しいんじゃないかな。店員に聞いて見ればいいさ」
半分なげやり。なんて言うか余計な情報開示をするなんて逸脱もいいところ。
まずはしらみ潰しに当たるのがベストでしょう。彼女は涙ながらに訳分からない事を再び口にするので、彼女を置いてコンビニへ向かった。
「……ねえ? 貴女が言うペンダントってこれ??」
「――はにゃゎ!? ま、ま、ま、勾玉ぁぁあッッ!」
案の定、コンビニに落ちていたのを店員が落とし物として預かっていたようだ。
「良かったね。はい、じゃあ、どうぞ。……さて、私は帰るよ」
「――ま、待って下さい!」
「ん? お礼なんかいらないよ。困った時はお互い様でしょう?」
「それは良く無いですッッ! 僕は貴女に助けて貰ったから恩返しする義務がありますよ!」
僕?? そう言えば一部の女子でも一人称で使うのがいるとか言ってたのを思い出すが、物凄く違和感を感じるのは気のせいか?
「その気持ちで十分だよ。別に義理立てなんかいらない、じゃあね」
これ以上いても仕方ないし、面倒になる前に手をあげて別れのサインを出しながら帰る事にした。
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