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振り払った、よね?
どうして?
そんなに触られたくない?
そして私の中の
なにかが切れた。
「もういい」
そうつぶやいて
私は人混みを離れた。
帰り道は涙を
こらえるので必死だった。
すれ違うカップルの
幸せそうな姿が
また胸を締め付ける。
きっと和人は
私のことを好きじゃない。
あの日の告白の返事も
きっと何かの間違いだったんだ。
断り切れずに、首を縦に
振ってしまったのかもしれない。
「これからどうしよう」
なんとなく家に
帰る気にもなれず、
ふらふらと歩いていた。
そんなときだった。
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