それは地底の物語

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それを伝えられたのは、地底の面々、大人上海、萃香との温泉を楽しみ終わった後。 守矢神社を改装するので、適当にどこかで日を潰して欲しいとのこと。 「……さて、どうするかな……」 「私と一緒に博麗神社へ行きますか? 霊夢さんなら、多分許してくれると思うんですが……」 風呂上がり、まだぽかぽかしている自分の体を、どこか赤い顔で見つめてくる風祝、東風谷早苗がそう申し出てくれる。 河童の改装工事が始まったと、わざわざ地底まで知らせにやってきてくれたのだ。 「うーん……。流石に二人は迷惑なんじゃないですかね?」 「……かもですね。……どうします?」 「私は お母さんのところに 行かないと」 「うん。上海は体を戻してもらわないといけないし、それは丁度いいな」 「一緒に 行く?」 春良に気を遣って上海が誘ってくれた。 確かに、以前はアリスも構わないと言ってくれていたし、それでいいかもしれない。 「……そうだな。一回アリスに聞いて――」 「なになにお兄ちゃん、お家がないの!?」 パッ、と突如春良と早苗の間に、小柄な少女が姿を現した。 飛び込んで来たとかそういうことではなく、文字通り姿を現した。 少女の名前は、古明地こいし。 他人の心を見る覚りの目を自ら閉ざし、かわりに誰からも認識されなくなる力を得た、古明地姉妹の妹だ。
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