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『優哉君…………』
「?」
夢で見たあの少女?の声が一瞬、どこからか聞こえた。その声に気付いた優哉は、左右に首を回した。
だが、当然の様に車にいるのは真ん中の座席に直輝と静香、助手席に夏海、運転席に秀明が座っていた。
(…………
気のせいか………)
自分の気のせいだと思い、優哉は再び車窓の外を眺めた。
「くそっ!!こうなったら、ヤケクソだ!!」
突然、ハンドルを叩くなり秀明は大声で全員に聞こえるかのように、大声で怒鳴った。
その声に驚いた、夏海と後ろの席に座っていた直輝と静香、優哉はすぐに秀明の方に顔を向けた。
「ちょっと秀明、何する気?」
「決まってんだろ?
この列から抜けて、反対側の道路に行く」
「え?!」
「ちょっ、バカな考えは止めなさい!!
そんなのダメに決まってるでしょ!!」
「うるせぇ!!黙ってろ!!」
「黙る訳ないでしょ!!
やったらあんた、警察行きだよ!!
それに、こんな雨の中でそんな事やってご覧なさい。大事故が起きるに決まってるじゃない!!」
「だったら、降りればいいだろうが!!」
「降りれる訳ないでしょ!!ここ、高速道路のど真ん中よ!!」
「ち、ちょっと2人とも」
「喧嘩は辞めなよ。とにかく、一端落ち着こう………ね?」
「お前等2人は黙ってろ!!」
「ご、ごめんなさい………」
「ご、ごめん………」
「2人に八つ当たりしないの!!」
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