プロローグ

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月明かりが照らす、一つの学校……… 校門には、“閉校”と書かれた看板が垂れ下がっていた。 「全く、人間も勝手な事をするな………」 学校のある教室……… そこで話し声が聞こえてきた。 「取り合えず、皆引っ越しの準備はしてるよ。 それと皆、やっぱり一緒に引っ越そうだって。」 「俺はそのつもりだ………」 「でも問題が一個……… どうする?このままだと、お前だけここに残ることになるけど………」 空に浮かぶ月を眺めていた、もう1人の仲間に話し掛けた。 「…………… ねぇ」 「?」 「皆にお願いがあるんだけど………」 「明日、もしかしたら僕の友達が来るんだ。 その友達に、この世にない様な恐怖体験をさせたいんだ………」 「恐怖体験?何でまた………」 「あいつら……… 僕にあんな事をしといて、平気な顔で生きてるんだよ?何の謝罪もなしに………」 「…………」 「だから明日……… あの5人に、復讐しようと思うんだ。そうすれば、僕も皆と一緒に引っ越せるんだ………」 「そう来たか…………」 「あんたの頼みじゃ、断れねぇな………」 「そうですね……… 私は賛成!何か楽しそうだし……」 「俺も賛成だ」 「文句無し」 「ありがとう……… 早速皆に声を掛けといてくれ」 「おう!行くぞ!!」 「うん!」 2人の仲間は、教室を飛び出して行った。 教室に残った2人……… 月を眺めていた仲間は、首に掛けていた三日月のペンダントを手に取り、月の光に照らした。 「………… さぁて、明日は最後のパーティーになるよ」 空に浮かぶ月は、やがて雲に隠れ辺りを闇に包んだ。
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