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そんな光景を面白そうに見ていた赤茶色の癖っ毛の髪型をした男が、後ろに大人しそうにしている男女2人に話し掛けた。
「余計なお節介だ!優哉(ユウヤ)!!」
秀昭はカラカってきた優哉の首を腕で抱えながら、優哉の頭を拳でグリグリした。
そんな光景を、癖のないストレートの焦げ茶色の髪型をした直輝と、薄いピンク色のロングヘアに赤いピンを着けた静香が、顔を合わせ2人で苦笑いを浮かべた。
「とは言え、まさか直輝と静香が付き合っているなんて、ホントに驚きだったわ………」
「お前ら、付き合って今日で何年だ?」
「え?そ、それは…………」
「え~っと………
6年………目かな?」
「6年…………
6年!!!!」
「じゃあ何?あんた達、高校の時から付き合ってたの?!」
「うん…………
内緒で………」
「ちょっと!付き合ってるなら、付き合ってるって言ってくれたっていいじゃない!」
「いや、だから内緒で………」
「内緒と言うより、優哉を悲しませたくなかったからだろ?」
「え?俺を?」
「俺と夏海、直輝と静香。
残ったのはお前だけ」
「?…………
あぁ!!!!」
ようやく自分の立場が分かったのか、優哉は秀昭から離れ叫んだ。
「ちょっと優哉!あんたうるさい!!」
そんな優哉に向かって、耳を塞ぎながら夏は文句を言い放った。
「だって!!俺だけだぜ!彼女いねぇの!!」
「そんなに騒がなくても………」
「直輝はいいじゃねぇか!!静香がいんだから!!
あ~、俺も彼女欲しい!!」
そんな楽しげに笑い合う4人を、建物の三階にある教室の窓から誰かが眺めていた。
『生きると死ぬ………
君達はどっちを選ぶ?』
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