はじまり

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しばらくして、校長先生の話が終わり、秀昭達は校舎の中を歩いていた。 学年に一クラスといった少人数。クラスの人数も少なかったが、皆仲がよくイジメの問題は全くなかった。 皆がそれぞれの教室を見ている最中、秀昭と夏海、直輝、静香、優哉の5人は“6年生”と書かれた看板を着け下げられていた教室のドアを開けた。 「うわぁ!懐かしい!」 教室に置かれている4つの机と椅子を見ながら、夏海は教室を見回した。 「本当に4人だけだったんだね………」 「らしいな……… 机と椅子、こんな小さかったっけ?」 「それは、俺達がデカくなったって意味だ。 ?…………なぁ」 「?」 「どうしたの?」 「この教室、俺達の前に誰か来たか?」 「え?来てないはずよ……… どうして?」 「何か、窓の縁に積もってる埃が部分的に拭かれてるような後があんだ。 まるで誰かがここで、ずっと座ってたみたいに………」 そう言いながら、優哉は窓の縁を指で触った。教卓に腰掛けていた秀昭は教卓から降り、優哉の隣へ行き窓ガラスを見た。 「優哉の話、一理ある。 ここに誰かが座って、窓越しから校庭を眺めていた……… ガラスが少し、湿ってる……」 「え?」 「嘘……」 「ちょっと待って……… それじゃあ、この教室から誰かが私達がさっきまでいた校庭を見ていたって事?」 「かもな………」 「そういえば、そんな話しあったよね? この学校の怪談……… 七不思議に」
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