木戸先生と私

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人のことは言えないけど、ちゃんと向き合って幸せになって欲しい。 「木戸先生にもそんな青春時代があったんですね」 「そりゃそうだよ。僕にだって初恋も思春期もあったんだよ。生まれたときからこんなおじさんじゃないんだから」 懐かしそうに話す木戸先生は、だけどちょっと寂しそうで。 「おじさんって言うにはちょっと早いんじゃないですか?」 木戸先生がおじさんなら、1つ年上の荒木課長もおじさんになっちゃう。 「そう? お兄さんくらいにしておいてくれる?」 ほらまた茶化した。 だけどそんなに素敵な出会いをした2人が、どうして今のような状態になっているのか気にかかる。 「どうして別れちゃったんですか?」 聞いちゃいけないのかもしれないけど……。 「どうしてだろうね」 どれだけラブラブだったカップルも時には別の道を進むことはあるから、木戸先生が特別っていうわけじゃないんだけど、別れたくて別れたんじゃないって空気がお互いから出てる気がするのに。 .
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