木戸先生と私

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「厳しいな~」 「もう一度やり直したりは出来ないんですか?」 由紀子さんはもう一度やり直したいんじゃないかな?  私の同期もそのために2人を結婚式で会わせようとしたんだろうし。 きっと周りのお友達もそれを望んでいるような気がする。 「それは難しいんじゃないかな。別れてもう10年、今更だよ」 「そういうものなんでしょうか……」 「そういうものだよ。それより、僕美鈴ちゃん口説いてたはずなんだけど、こんな昔話してる場合じゃないよね」 「え! 私口説かれてたんですか?」 オーバーリアクションでうな垂れる木戸先生は、もういつもの木戸先生に戻っている。 結局上手くはぐらかされたらしい。 「わかってやってたら怖いけど、天然もそこまで来るとたいしたもんだ。本当につれないんだから、美鈴ちゃんは」 「すみません」 そうこうしているうちにカフェから弥生が出てきた。 .
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