木戸先生と私

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またここで話が弾んでしまいそうだったけど、腕時計を確認すればそろそろ二次会の会場に行く時間。 思ったよりも長く木戸先生と話し込んでしまっていたらしい。 「じゃあ、また会場で」 「はい」 木戸先生も友達からの電話に呼ばれてどこかへ消えていった。 「ちょっと、木戸先生といい感じだったんじゃないの?」 「そんなことないわよ。ちょっと昔話を聞いてただけよ」 「昔話?」 「そう、新郎との思い出話とか、学生時代から今みたいに建築バカだったって話」 かなりはしょったけど嘘はついてない。 「ふぅん、もうブーケの効果が出たのかと思ったんだけど違ったか」 「即効性があると嬉しいけど、木戸先生は仕事仲間でしょ」 「木戸先生の何が不満なわけ? いい男だし、仕事できるし、優しいのに。やっぱり荒木課長?」 「だから課長は関係ないって。もういいから二次会行くよ」 「またはぐらかす~!」 しつこく食い下がる弥生を引っ張って二次会に向かった。 .
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