733人が本棚に入れています
本棚に追加
/40ページ
またここで話が弾んでしまいそうだったけど、腕時計を確認すればそろそろ二次会の会場に行く時間。
思ったよりも長く木戸先生と話し込んでしまっていたらしい。
「じゃあ、また会場で」
「はい」
木戸先生も友達からの電話に呼ばれてどこかへ消えていった。
「ちょっと、木戸先生といい感じだったんじゃないの?」
「そんなことないわよ。ちょっと昔話を聞いてただけよ」
「昔話?」
「そう、新郎との思い出話とか、学生時代から今みたいに建築バカだったって話」
かなりはしょったけど嘘はついてない。
「ふぅん、もうブーケの効果が出たのかと思ったんだけど違ったか」
「即効性があると嬉しいけど、木戸先生は仕事仲間でしょ」
「木戸先生の何が不満なわけ? いい男だし、仕事できるし、優しいのに。やっぱり荒木課長?」
「だから課長は関係ないって。もういいから二次会行くよ」
「またはぐらかす~!」
しつこく食い下がる弥生を引っ張って二次会に向かった。
.
最初のコメントを投稿しよう!