年下の彼

12/23

1350人が本棚に入れています
本棚に追加
/37ページ
*** 週の真ん中、水曜日。 お店の定休日。 大学もお休み。 夜まで予定なし。 駅ビルの本屋まで出て、文庫本を購入した。 本当はどこかカフェに立ち寄って、買った本を読むつもりだった。 静かで、雰囲気あって、私好みの珈琲が飲めるお店。 歩いて行ける範囲でお店探しも楽しみのひとつだけど、こう寒くちゃね。 購入する本を吟味するのに結構、時間を使っちゃったし。 駅近くの喫茶店で妥協しよう。 駅ビルから出ると目の前のコンビニに高校生のグループがたむろっているのが目に入る。 若いなぁ。 まだ授業中の時間帯なんだけどね。 茶色やら金色やら派手な頭の男女10人くらいのグループが歩道にはみ出して座り込んでいる。 社会のルールを学びなさい、キミ達。 そういえば健太郎と同じ学校の制服だ。 彼ならこの派手な集団に何の違和感もなく溶け込んでそう。 私は何となく目を凝らして集団の中に彼を探した。
/37ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1350人が本棚に入れています
本棚に追加