年下の彼

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陽だまりの隠れ家。 そんな表現がピッタリなこのカフェは、小高い山に向う坂道の途中にあって、免許取りたての頃、一人であてもなくドライブするのにハマッてた私は、偶然そのカフェを見つけて虜になった。 藁葺きの小屋っぽいわざと古ぼけた民家みたいな造りの小さな建物。 OPENして間もないのが真新しい看板から分かった。 中へ入ると穏やかな笑顔で、大人の男性が迎えてくれた。 掘りの深い顔立ちと少なくたくわえた顎髭。 こだわりの珈琲と、店長である彼のお手製のケーキ。 一度で気に入った私は時間さえあれば、そのカフェに通った。 当時は彼一人でやっていたのに、ランチもディナーも少ないけれどちゃんとメニューがあって、地元の野菜を中心とした料理はロハスって感じで。 女の子は皆、こういうお店好きでしょ? 通い始めて半年も経つとそこは口コミで人気のカフェになっていた。
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