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おれと高山さんは 聞き込み調査を開始した。
まず 事件が起きる直前 郷田先生の隣に座っていた 赤村先生に どうして 郷田先生は 外に出たのか 訊いてみた。
すると
「入学式が始まる ちょっと前…確か 8時28分頃 に 郷田先生のケータイに着信があったみたいで それで 外へ出ていったよ」
「なるほど…ありがとう ございました」
おれは 赤村先生に会釈し その場を後にした。
「真悟く~ん」
するとそこへ 他の所で 聞き込みをしていた 高山さんが 合流した。
「何か 分かりましたか?」
「もちのろんよ!」
高山さんは 親指をおれの目の前に突きだし 自慢げに 彩乃よりある胸を張った。
「目撃者がいたのよ」
「目撃者…ですか?」
初耳だな…
高山さんは 懐から 例のメモ帳を取り出し 軽く咳払いをした。
「目撃者は 若槻 律
高等部二年生で 科学部の部長よ」
「それで…?」
おれが尋ねると 高山さんは 人指し指を おれの唇にそっと添えた。
「人の話は 最後まで聞きなさい」
高山さんは 人指し指を おれの唇からどかし 再び 軽く咳払いして 話を続ける。
「若槻くんの話によると 事件が起きた時 彼は 体育館近くの トイレにいて 犯人の顔を見ていたらしいの」
高山さんは トイレを指差した。
トイレは 体育館に備え付けてあるもので 非常ベルの 向かい側にある。
外からも 中からも 入ることが出来るらしく 個室には 格子のついた窓がはめこまれている。
「たぶん 若槻くんは あの個室から 犯行現場をみたのね」
確かに 犯行を見ることは 出来るだろうが 何かが引っ掛かる。
「とりあえず その目撃者に 事件当時の事を訊いてみましょうか」
「そうね 確か 科学準備室にいるはずよ」
「よし…行こう」
おれたちは 目撃者:若槻 律に話を訊く為に 科学準備室へ 向かった。
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