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おれたちは 朝食を済ませ 自分のプレートを片づけに行き まだ時間があったので 談笑していた。
「そういえば さっき 真悟に話してたんだけどさ…」
さっき…?
あぁ おれがトリップしかけたあの時の話か。
何の話をしてたっけ。
「昨日の事件の話」
アレか。
「あの事件ってさ 赤村先生が犯人で 若槻っていう先輩にウソの証言をさせてたんだよね?」
「あ、あぁ……」
何でコイツは そんなに詳しく事件の事を知ってるんだ…?
「だとしたら おかしくない?」
「何が?」
おかしな所……?
もう 事件は解決したんだ。
おかしな所なんて……あれ?
ま、まさか―
「何で 若槻先輩は 非常ベルが鳴らないことを知らなかったんだろ?」
確かにそうだ。
今 考えてみれば おかしい。
もし 赤村先生に脅迫されていたのなら 最初からウソの証言をすればいい。
でも 若槻さんは おれに追及されてから ウソをついたように思えた。
後で 訊いてみるか。
「それと どうして 赤村先生は 芳賀 義弘っていう不良を犯人にしたてようとしたんだろ?」
それも疑問だった。
別に 他の生徒でもよかったはずなのに あえて 芳賀 義弘を犯人にしようとした理由も知りたい。
これは 山崎さんと 芳賀本人に訊いてみるか。
「真悟くん」
「あっ… 高山さん」
「“由美”でいいわよ」
「じゃあ 改めて……
由美先輩 どうされたんですか?」
「いのかっちゃんが 始業前に話があるから 部室に集合だって。
だから 今から行こ」
「分かりました。
じゃあな おれ 一足先に行くから」
「また 後でね」
「行ってらっさい」
おれは 一先ず敏樹と彩乃に別れを告げ 由美先輩と先に学園へ向かった。
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