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「明奈!」
私は呼ばれた声にドキリとして振り返る。
急に名前を呼ばれたからだけじゃない。
その声に名前を呼ばれたから。
「うおお~、いっちょ前に女子くさくなりやがって!」
その声の主は私にズカズカと近寄ってきたかと思うと頭をワシワシと撫ぜ始めた。
「ちょ、髪崩れるし!」
浴衣に合わせて髪をアップにまとめていた私は頭上にある手を振り払い、相手を睨みつけてやる。
「なんだよー、色気づきやがって。ん?デートか?」
「な、違うよ!友達と花火大会に行くの。」
急にデートかと聞かれて、心の準備も出来ていなかった私はバカ正直に事実を答えてしまい少し後悔する。
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