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「ごめんなさい…。」
彼女の唇から何度もこぼれるその言葉を俺はただ黙って聞いていた。
いつから?とか。
どうして?とか。
聞きたいことは山ほどあるはずなのに、それを俺はどうしても声にすることが出来ない。
目の前で俯いたまま肩を震わせて泣く彼女。
テーブルの上には先月渡したはずの見覚えのある指輪のケース。
中には慣れないジュエリーショップに一人で赴いて購入した指輪が入っている。
増田幸大、27歳。
今、俺は約2年間付き合っている彼女の部屋で、プロポーズした時渡した指輪を返され振られている。
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